人の「モノサシ」を変える
人間の価値観、プライド、知識、このあたりの意味をひっくるめて、私が長年身を置いた稼業では「モノサシ」という言葉をよく使う。(私の周りだけかもしれないが 笑)
若い時には、よく、親方や兄貴分、諸先輩から「てめぇのモノサシで話すんじゃねぇ」とか「てめぇのモノサシで考えるな」とよくお叱りを受けた。
プライドや価値観に関しても、よく、この言葉を使う。
足を洗って、一番困るのが、この、自分の「モノサシ」をなかなか下げれない。
変えられないことだ。
ヤクザを辞めても、ええ格好しぃで見栄っ張り、お金の価値感や使い方の感覚が、やはり、普通の人とは少し違う。カミさんからもよく叱られる(苦笑)
プライドが邪魔して、何ができるわけでもないのに仕事も選んだりしてしまう、、、
そこで、モノサシを変えるためにも、働きに出ることを決意した。
この半年、自分にどんな仕事ができるのか?
悩みに悩み、起業の仕方も調べたり、友人知人に相談もしてみたが、なかなか定まらない。
自分で事業をするにも、まだ通帳も作れず、会社も作れない。どこかで仕事を学びに会社に就職しようにも履歴書が書けない、、、
25年も職歴がなく、空白の25年間を聞かれたらなんて答えれば良いのか、、、
変なところで真面目な私は、嘘は書けないし、、、
そんな中、幸いにも私の昔からの支援者の土木会社の社長が雇ってくれることになった。
何もできない私を、何か私が自分でやれること、やりたいことが見つかるまで、バイトのつもりで来たらいいですよと、働いてる間に、やりたいことや何かが見えてくるかもしれないから、それまで来たらいいですよ、と、その社長は、現場仕事などしたことのない私を、破格の人工賃で使ってくれるという。
本当にありがたい。
息子さんたちとやっている会社だが、息子さん達も私とは10年来の顔見知り。
息子さん達は複雑な心境のようだ。そりゃそうだ。私の素性も過去も知っており、
仕事では自分達の方が先輩であり、仕事ができるのだから、何にもできない私に指示を出して使うのは、さぞ使いづらかろう、、、
正直、私としても、本当は自分が一番避けたかった、土建の現場で仕事をすることになるが、これは、自分のモノサシを変える、良いチャンスかもしれない。
私は子供がいないが、いれば、息子位の若い人達と、毎日、汗水流して現場で働いてみたら、お金の有難さ、働いてお金を稼ぐ尊さ、価値観、物の考え、見え方が変わり、
私のモノサシが変わるかもしれない。