カレーライスと、人の舌👅 色んな食べ方
どうしても、ブログを始めたばかりで、読者も増えて、私の性分なのか
あれもこれも記してるうちに長くなるので、2本立てでいきます(笑)
2本目は食べ物について
自慢じゃないですが、自分で金を使って行ったり、色々な社長さんや自分の仲間に連れて行ってもらったりで、高級食材と言われる物や、有名と言われる店の料理など、
贅沢な食生活を送ってきたと自分でも思う。
ヤクザは、美食家が多い様にも思われがちだが、ギャップも激しい。
見栄を張る商売なので、高級な店にも行くが、本当にボロボロな建物の串物屋や、
定食屋、お好み焼屋なども
「汚くて、ボロボロだけど、ここの〇〇が美味いんや」
と言って、好んでそういった店にも行く。そういう店が美味いと思ってしまう(笑)
私もそうだ、、、(苦笑)
でも、ホントに私自身は、自分の舌が肥えているのか、美食家なのかは大いに疑問だ。
カミさんにも
「あんたは、ホントに舌が肥えんてるのかどうか、わからんわ~~~?」
とよく言われる(苦笑)
多分、舌が肥えてるのは私よりカミさんだと思う、、、
また、前置きが長くなったが、昨夜食べたカレーライス。
美味しい、カレーライスってどんな、カレーライスなんだろう、、、?
母親やカミさんの作るカレーも、COCO壱のカレーも、レストランで食べるカレーも
カレーライスで「美味い!」と感じたことがほとんど無い。
カレーって、私の中では可もなく不可もなしの料理。
逆に、不味いカレーを見つける方が難しくないですか(笑)
私が唯一、美味いなぁと感じたのは、刑務所のカレーライス。
私が長年暮らした某刑務所は、大体だが、週に一度、昼食にカレーライスが出る。
ジャガイモが沢山入った、どろどろのカレーだ。
たまに、炊場(受刑者の食事を作る工場の呼び方)の作り手が出所して、作る人間が変わるのか、
「なんか違うなぁ、、、」って時もあったが、刑務所で食べるカレーは美味かった。
刑務所で高級食材や、美味しいものなんて食べさせて貰える訳がないので、無難な
カレーライスが美味しく感じたのかも知れないが、今でもたまに、刑務所で食べた
カレーが食べたくなる時がある。
それで、忘れもしないのだが、初めてその刑務所でカレーを食べた時のことだが、
まだ、新入教育中で、工場の配役【どの工場で刑務作業をするか】が決まらない間は
独居房で袋張りなどして過ごすのだが、昼食に初めてカレーが出て、卵が付いてきた。
当然のことながらこっちは、ゆで卵だと思っている。
殻を割ろうと、ちゃちな木製の小机に落とすと、「べちゃり、、、」
「えっ!はっ!なになになに、、、生卵」
なんだこれっ、食事を配ってくれる先輩受刑者の、新入りに対する嫌がらせか?
思わず、看守さんを呼び出す扉上部に付いてる報知器をガシャンと倒す。
看守 「おうっ、どうしたんだ」
私 「どうしたんだって、これ生やんかっ!」
私も入所当時は若く、ちょっとイキがっていたので強めの口調で言ったら
看守 「おうっ、生卵やぞ、、、あっ!お前、ゆで卵やと思ったんか?」
「しょうがないな、もう一つ持って来てやるわ」と、
すたすた引き返して、新しいの持って来てくれて
看守「今度は、間違えるなよ」って、おいおいおいおいっ、、、
私「これ、どうやって食べるんですか?」
看守 「どうやって食べる?って、そりゃ、お前達の好きに食べたら良いのだけど、
皆、大体カレーライスに混ぜて食っとるぞ」
はぁ~っ⁉、、、カレーライスに生卵混ぜて食べるの?ホントかよ?
「郷に入れば郷に従え」なんて言葉がありますが、工場に出た時の為にも、恥ずかしくなく食べれるように挑戦してみようか、、、
う~ん、、、有りっちゃーっ有りかもだけど、ルーの上にドロッと分離して乗っかる
生卵も、ごちゃ混ぜにして食べる食感も、あまり好きじゃないなぁ、、、
生卵は、その後数か月で、O157の予防とかで出所迄、10年近く一切で出なくなり、
カレーの時はゆで卵に代わり有難かったが、朝の卵かけの御飯の生卵まで出なくなり、温泉卵に変更された時は、悲しかった(苦笑)
出所してから暫くの間、部屋を探すまでの間実家で世話になり、母親が作った朝食で
炊き立ての銀シャリに、生卵の卵かけご飯を毎朝食べてたら、母親が
「お兄ちゃん、そんなに卵かけご飯好きだった?」
と笑われた記憶があるが、人間食べれなくなった物が自由に食べられるようになると
一時は無性に食べたくなるものである。
カレーライスの話に戻るが、新入教育期間を経て、いよいよ工場へ配役。
工場へ行くと、そこには「塀の中の素敵な面々」の諸先輩方が何十人といる。
幸い私は、入所当時は年齢も一番若く、皆さんに可愛がって頂き、良くして頂いた。
名前は記せないが、今では某組織の親分さんや最高幹部、何十人もの子分を従える組長さんになられた方や、新聞紙上を騒がせた方々もいた。
で、工場に配役されて初めてのカレーの日。
テーブルには普段通り備え付けの、ソースや醤油やらが置いてある。
配膳も済まされており、カレーをいただきます。
私は当たり前のようにソースに手を伸ばす。
斜め迎えの、別の組織の某さんは醤油に手を伸ばし、カレーに醤油をひと回し。
えっ!はっ?、思わず
「某さん、それ醤油ですよ」ソースは私が手にしてる。
「そうだよ、醤油だよ。私さん、いつもソース?醤油かけてみたら美味いから、
一度、騙されたと思って醤油かけて食べてみなよ」
これも、先輩の教え、勉強・経験と思って、まだかけてないソースを戻して、言われた通り醤油をひと回しかけ、食べる。
「あっ!醤油美味い!!!」
食レポ下手なんで上手に説明できないけど、ソースより美味い。
「でしょ、醤油合うでしょ。まぁ、俺も前の刑務所で教えてもらって、それ以来、
カレーは醤油になったんだけど、美味かったなら良かったわ」
刑務所は全国各地から、色んな人種が集まる。
全国の刑務所を何か所も渡り歩いてるような猛者もいるから、同じ食べ物でも色々な
食べ方が見つかる(笑)
あれから、20数年、私は今でもカレーは醤油をかけて食べる。
カミさんと一緒になって、カミさんが初めてカレーを作った時に、
「醤油持って来てくれ」と言ったら、「ソースじゃないの?」と、カミさんにも驚かれ、実家に行った際にも、カミさんが
「お義母さん、私さん、カレーに醤油かけて食べるんですが、〇〇家はそうなんですか?」と聞かれ、母親にも
「えっ、そんなことないよー、うちもソースだし、お兄ちゃん、醤油なんかかけて食べたことないのに、、、」と驚かれた。
ただ、カミさんや母親の作るカレーは、ルーを何種類も入れ、少しこじゃれているし、
レストラン等で食べる本格的なカレーには、醤油は少し合わない。
ジャガイモが沢山入り、昔からあるバーモントカレーやオリエンタルカレーのような
黄色っぽいカレーで、一晩寝かしてどろどろのカレーに合う。
今も味が変わっていなければ、某刑務所のカレーに醤油をかけて食べるカレーが私の中では一番美味いカレーライスだが、また刑務所入ってまで食べたいとは思わない(笑)
刑務所の献立や食生活だけでも、まだまだ話題は尽きないが、またそれはおいおい。
カレーライスひとつにも、色々な食べ方があるし、人の舌というのは千差万別です(笑)